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  • 派遣社員の引き抜きの防止法は

    2016.02.19

    Ⅰ.今回の課題
    情報処理業を行うK社は、自社の社員を委託先に派遣し、現地での作業を事業の一つとして行っています。ところがある時、長年に渡り業務委託を請け負っていた派遣先企業に、有能な社員の引き抜きをされてしまうという状況になってしまいました。
    Ⅱ.経過報告と対策
    派遣していた社員から退職願を出され、事態を確認した人事担当者は、あわてて経営陣に報告しましたが、重要な取引先でもある相手先のため、有効な対策がとれないまま時が過ぎ、結局、本人は申し出のあった日をもって退職となりました。
    Ⅲ.最終結果
    事態を重くみた経営陣は、損害賠償請求も含め、対応を検討しましたが、相手方を訴えるにも十分な根拠がなく、顧問の弁護士やコンサルタントからも難しいとの判断を受け、最後はそのまま泣き寝入りの形になったのでした。
    Ⅳ.今回の課題への対策とポイント
    事態を重くみた経営陣は、損害賠償請求も含め、対応を検討しましたが、相手方を訴えるにも十分な根拠がなく、顧問の弁護士やコンサルタントからも難しいとの判断を受け、最後はそのまま泣き寝入りの形になったのでした。
    Ⅳ.今回の課題への対策とポイント
    労働者派遣法第33条では、「派遣元」の企業は、派遣される「労働者」や「派遣先」と、派遣元を退職した後に派遣先への就職を禁ずる旨の契約を締結することはできないとなっています。これは憲法で定められる“職業選択の自由”を守る意味もあります。 しかしながら、このような場合でも『正当な理由』があれば雇用を制限することが可能とされます。
    具体的な「正当な理由」は、次のとおりとされます。(※記載の内容については、「労働者派遣事業関係業務取扱要領」略して“派遣事業要領”から)
    ①雇用系関係継続中に習得した知識、技術、経験が普遍的でなく“特殊”な内容であること
    ②前記①の知識等が“他の使用者”の下では習得できない内容であること (これらにより該当する知識等は、使用者の“客体的財産”とされます。)
    ③これらの客体的財産を知り得る立場(例:技術の中枢にあるなど)にある者
    ④この立場の者に対し、秘密保持契約や退職後の競業避止義務を負わせることが必要であること
    (競業避止については、「制限の時間」「場所的範囲」「制限の対象」「代償措置」の検討が必要です。詳細については、当ニュースレター平成22年6月号の関連記事をご参照ください。)

    上記の点を考慮に入れたうえで、条件に合致するような契約を締結している場合には、派遣先への就業を禁止することもできるかもしれません。

    ただし、派遣事業要領によると、このような「正当な理由」が存在すると認められる場合は“非常に少ない”と解されるとのことですので、必ずしも制限をかけられるとは言えません。

    しかしながら、一定の抑止効果を目的とするには十分な内容と考えらます。特定派遣を実施されている企業様では、派遣する社員の状況により契約内容の見直しをお勧めします。

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