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  • 時間外労働の計算方法は1分単位??

    2014.04.25

    Ⅰ.今回の課題
     A社は営業職には一定の割増賃金を含んだ形で支給し、また物流職には時間外手当を支給していました。また就業規則では時間外労働の命令・申請があった場合には、時間外労働はきちんと支払っていました。  
    Mさんの入社当時は営業職でしたが、出産後は配置転換で物流職に異動しました。営業職のころは一定の割増賃金を含んだ形(すなわち営業手当)が支給されていましたが、物流部門に異動した時点でこの営業手当の支給がなくなり、実際の時間外労働に対し支払うことになっていました。この点でMさんは違和感をもっていたようでした。 上司からは始業前に清掃業務の参加を指示されたり終業後には時間外労働を依頼されることもあり、Mさんは始業時間の約10分以上前に出社し、退社は終業時間の約10数分後まで残ることが日常でした。

    Ⅱ.経過報告と対策
     まず、どのような基準で労働時間が決まるのでしょうか。 労働基準法では、『労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいう。』とされています。つまり会社(上司)から具体的に指示・命令され、ある程度行動を拘束されれば労働時間と判断されることとなります。
     今回の場合、休日の間に出張先へ移動する場合に労働時間とされるかどうかですが、基本的には労働時間とはみなされません。この場合、移動中に会社から指揮命令を受けて業務を行っていれば労働時間となりますが、単純な移動だけであれば、その移動中の時間は、本を読む、音楽を聴く、お酒を飲む等本人の行動が自由であるため指揮命令下にあるとは見ることができないからです。ただし、先にも記載しましたが、移動時間中に物品を監視する等、行動を制限されるような特別な任務(責務)が与えられている場合は労働時間となりますので注意が必要です。

    Ⅲ.結果
    Mさんの訴えは始業前の清掃や朝礼の準備で少なくとも日々10分を要し、終業時刻後も残務処理が必要であったと伝えてきました。
    そして最終的に過去2年間の時間外労働の未払いを請求してきました。 このような状況になった原因は、Mさんの計算とA社の時間外労働の集計方法が異なっていることにあります。A社では一日30分単位で計上していましたが、Mさんは一分単位で計算されていました。
     労働基準監督署の指導もあって、時間外労働の日々の集計は分単位とし、月ごとで30分単位にまるめることとし、最終的には始業前、終業後を分単位で計算し、Mさんに支払いを完了しました。

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