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  • 採用時に気をつけなくてはいけない 重要なポイントとは?

    2013.06.28

    Ⅰ.今回の事例
     企業によっては休日に、自己啓発の一環で自由参加の研修をする場合があると思います。この場合、労災保険(いわゆる労災)の対象となるのでしょうか。

    Ⅱ.経過報告
     基本的に労災保険は、業務災害と通勤災害に分けられます。業務災害は、労働者が就業時間中に業務が原因となって被った負傷、疾病または死亡等をいいます。業務との間に一定の因果関係(業務遂行性および業務起因性)があることを「業務上」と呼んでいます。また通勤災害とは、通勤によって労働者が被った負傷、疾病または死亡等をいいます。この場合の「通勤」とは、就業に関し、

    ①住居と就業の場所との間の往復
    ②就業の場所から他の就業の場所への移動
    ③単身赴任先住居と帰省先住居との間の移動を、合理的な経路および方法で行うこと をいい、業務の性質を有するものを除くとされています。(業務の性質が有ると通勤災害ではなく、業務災害になるからです。)

    Ⅲ.対応方法
     今回の場合、自由参加であり、あくまでも任意ですので業務という考え方にはならず賃金等は支払われないと考えられます。ただし、研修へ参加しないことで人事評価が悪くなったり、通常業務に支障が生じるなどの影響がある場合は、実際には参加せざるを得ない状況と判断され、業務(労働時間)と判断される可能性があります。自由参加が建前に過ぎず、実質の強制参加という見方ができるのであれば、労災保険の対象と考えられます。逆に自己啓発として社員の能力・資質向上のための研修であり、不利益も無いのであれば労災の対象にはならないと考えられます。  
    労災保険の対象となるかは、実態を見て判断されます。会社としては社員の不利益にするつもりはなくても、結果として不利益につながる可能性がありますので研修の内容をよく精査する必要があります。また、社員の皆さんに対しても研修の内容や勤務であるかどうか、賃金支払いの有無、事故が起きた場合の対応(労災の適用の有無や会社の補償)等、事前に詳細を明確にし、社員の皆さんが判断できるような状況をつくっておくことが、有事の際のトラブルの防止につながると考えます。
    (五十嵐 敏之)

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