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  • 子育てのための「短時間勤務制度」 ウチの会社もやらなきゃダメ…!?

    2012.08.07

    Ⅰ.今回の課題
    大手自動車メーカーに部品を収めるR社は、従業員数10名ほどのいわゆる「町工場」。相変わらず厳しい受注状況の中、どうにか少数精鋭で経営を維持している状態でしたが、昨年会社設立以来はじめて、出産、そして育児休業を取得したいと申し出る社員Aさんが。 ただでさえギリギリの人数で業務をやり繰りしているのに、1年以上も休まれてはたまらないと、社長はAさんに会社の窮状を訴えて理解を求めましたが、Aさんは労働者の当然の権利として取り合わず。
    結局、新しい社員の採用はせず、休職期間を乗り切ってどうにか復帰に至りました。
    ところがAさん、今度は「短時間勤務制度」の導入を社長に迫って来て…。

    Ⅱ.経過報告
    社長は、もう我慢ならないと、「短時間勤務制度がないと業務ができないような状態なら、ウチで仕事を続けるのは難しい。辞めた方がいい」と明言してしまいました。
    すると、後日、Aさんの知り合いを名乗る弁護士から、今回の社長の発言を問題視するとの文書が届いてしまいました。
    誠実に話し合いをして、早急に短時間勤務制度を導入しなければ、このことを行政に申し出るとの一言もあり…。

    Ⅲ.最終結果
    慌ててしまった社長は、Aさんに平謝り。Aさんを短時間勤務にした上に、給料は以前と変わらない金額を支払う約束までしてしまいました。
    すっかり調子に乗ったAさんは、連絡もなく遅刻して来たり、無断欠勤をしても翌日「子どもの体調が悪かった」などと反省することもなく過ごしているそうです…。

    Ⅳ.今回の課題への対策とポイント
    労働関係法規上、妊産婦には手厚い保護があり、休業の申し出を拒んだり、申し出をしたことを理由に不利益な取り扱いを行った場合には、あとから大きなトラブルになる可能性が高くなります。7月1日からはさらに、改正育児介護休業法の「3歳に満たない子を養育する従業員について、従業員が希望すれば利用できる短時間勤務制度を設けなければならない」との規定がすべての事業所にて有効となります。
    最近、経営者の皆さまより、「社員が妊娠して出産、育児休業を取って戻ってきたが、また短時間勤務にしたいなどと申し出られても受け入れないといけないのか?」とのご質問をいただくことが多くなりました。
    年々、強化されていく規制を前に戸惑っていらっしゃるご様子がありありと浮かびます。 必要以上に権利の主張をされないためには、妊娠の事実がわかった際にはすぐに報告させるような制度を整えておき、休職の事前に十分に話し合いができる時間を確保しておくことが重要です。

    例えば、育児休業後、職場復帰した場合の業務について触れ、子育てしながら仕事を続けることの大変さを十分に理解させること。仮に短時間勤務を希望した場合でも、業務量を削減することは会社の状況から困難で、通常の労働時間で行っていた業務を短時間勤務の中で終わらせてもらう必要があることなど、退職の勧奨ととられないように配慮しながら、「面倒そうだな…」と思わせる説明も有効だと思います。

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