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  • ・労働時間の適正な管理方法は?

    2011.09.07

    Ⅰ.今回の課題

    生活用品の小売業を営むK社は、複数の店舗を展開し、各店を店長が管理しています。当然、その業務の中には、パート社員を含めた労務管理もあり、これまではタイムカードで就業時間を把握していました。ところが就業時間後も何かと残っている者も多く、タイムカードでは適正な時間把握ができない状況でした。これに困った経営者は、タイムカードを廃止し日報制としたところ、終業時間の報告が全く違ったり、遅刻者の管理ができなかったりするなどの問題が起こりました。

    Ⅱ.経過報告

    問題を解決するために、経営者は専門家と相談し、次のような方法を実施することにしました。
    ①残業を行う場合は、あらかじめ店長に確認し、事前の承認をとっておくこと
    ②実際に残業を行った場合は、残業時間およびその理由を日報に明記しておくこと
    ③遅刻をした場合の時間を確認するために、出勤の場合のみにタイムカードを打刻すること

    Ⅲ.最終結果

    上記の事項を実行したところ、無駄な残業時間がほぼなくなり、遅刻をしたかどうかの管理も適切に記録を残すことができるようになりました。また店長も残業の必要性の確認責任があることを自覚し、管理者としての意識も向上したようでした。ただ終業の時刻については、人により付け方が違うとか、何分単位で集計するかなどの問題があり、これらは次のステップの課題となっています。

    Ⅳ.今回の課題への対策とポイント

    多くの企業ではタイムカードまたはそれに類する方法で時間管理を行っています。しかしながら、それらの方法により実際の労働時間の把握ができているか疑義が生じています。

    また行政の調査の際には、それ以外の管理方法が無ければ、その時間がそのまま労働時間とみなされてしまいます。

    ではタイムカード等の記録は、法的な義務なのでしょうか?

    厚生労働省から『労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準』というものが示されており、その中で「始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法」として「ア:使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。イ:タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。」のいずれかが”原則”の方法として明記されています。

    ただあくまでこれは”原則”ですので、例外として「自己申告制」も認められています。その場合は、以下の措置を講ずることとされています。(紙面の都合上、抜粋しております。)

    ア:自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。
    イ:自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施すること。
    ウ:労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で、時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。

    自己申告制を実施する際は、これらの内容に留意し、取り組んでいただきたいと思います。

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