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  • ・再雇用トラブルを避けるためには?

    2012.02.29

    Ⅰ.今回の課題

    情報コンサルタント企業のS社は、少数ながらも手広く顧客を増やし、様々な情報提供サービスを行っています。新入社員のT氏は、年齢的には中堅クラスでしたが、何分初めての業界で日頃から上司に注意を受けていました。入社から暫くして、体調不良を訴える休みがちになり、ある時、会社に退職届をだしそのまま出社しなくなりました。

    Ⅱ.経過報告

    その後、会社にT氏から「上司によるパワハラで病気になった」との書面が届き、精神的被害に対する慰謝料および退職せざるを得なくなった給与の補償を求めてきたのです。直属の上司から状況を聞いたS社の代表は、正当な指導の範囲であったと判断し、請求に応じない姿勢を示しました。後日、労働局からのあっせんの申し出があり、話し合いの場に参加することになりました。

    Ⅲ.最終結果

    当初は全く非を認めなかったS社側でしたが、一部で行き過ぎた言動があったことを認め、請求額のうち、慰謝料の一部を支払うことで和解に応じたのです。そしてS社では、2度と同じようなトラブルを起こさないように、パワハラに関する研修を実施し、意識を改め人材教育に注力をするようになりました。

    Ⅳ.今回の課題への対策とポイント

    これまで“パワハラ”という言葉は、その定義があいまいで、行政も具体的な対策などを講じていませんでした。先日、厚生労働省のワーキンググループから、職場のいじめ・嫌がらせ問題に対する報告が出されました。その報告の内容の一部は下記のとおりとなっています。(正式な提言は後日になります。)

    ・パワーハラスメントの定義
    「 職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。」(⇒∴上司から部下だけでなく、同僚間や部下から上司へなども含まれます。)れます。また定年後には、雇用条件を見直すといった文言の明文化も必要でしょう。

    ・職場のパワーハラスメントの行為類型
    ①身体的な攻撃 ②精神的な攻撃 ③人間関係からの切り離し ④過大な要求 ⑤過小な要求 ⑥個の侵害 ⇒④から⑥は線引きが難しいため、具体的な判断のため、認識や範囲を明確にする取組みが望まれます。

    ・パワハラの予防の取組み
    ○トップのメッセージ ○ルールを決める ○実態を把握する ○教育する ○周知する ⇒組織のトップがパワハラの撲滅を明確にし、就業規則などで規定やガイドラインを設け、アンケートを行い実情を認識し、社員研修を通じ理解を深め、日頃から方針や取組の周知・啓発が望まれます。

    ・パワハラを解決するために
    ⇒○相談や窓口の設置・・・企業内外の相談窓口の設置や外部専門家と連携する ○再発の防止・・・行為者に対し研修を行うなどし、再発を防ぐ

    ※パワハラを防ぐには、方針の明確にし相手の人格を認め、尊重し合う意識を高めることが重要です。ただ上記の取り組みが、上司の適正な指導を妨げるものにならないようにすることも大切です。また上司にはコミュニケーション能力やマネジメントスキルなども求められるため、パワハラ研修を行う場合は、これらの研修も同時に行うと、より効率的・効果的であると考えられています。

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